【音声読み上げ】
ピルについて
経口避妊薬である低用量ピルは、排卵を抑制することにより安全に避妊することができる避妊方法になります。また低用量ピルの効用は避妊だけにとどまらず、月経不順・過多月経(月経量が多い)、生理痛・月経前緊張症の緩和、にきびや肌荒れの改善、多毛の改善といった効用を期待することができます。さらに長期間服用することにより子宮体がん、卵巣がん、良性の乳房疾患などの病気を減少させる効果もあります。
ピルを服用することにより不妊になることはなく、また成分が体内に蓄積することもありません。さらに現在のピルはホルモン量が少なく太ったりすることが極めて少なくなりました。しかしながら服用初期には吐き気、頭痛、乳房がはるといった副作用を認める人もいます。また血栓症の可能性もありますので服用前にはきちんと検査・説明を受けてから服用してください。
避妊用ピル
避妊目的のピルは、
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1 排卵抑制
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2 精子を子宮に入りにくくする
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3 着床しにくくなる
というような3つの効果で避妊効果を発揮します。ピルはきちんと服用すれば、ほぼ100%避妊することができ、妊娠したくなったら服用をやめればいいという、安全で確実な避妊法です。低用量ピルは、月経の1日目から1日1回1錠を大体同じ時間に服用します。飲み忘れることなくきちんと飲むと、毎月規則的に月経がくるのでいつ月経が来るかわかるようになります。また避妊効果が出るぎりぎりのところまでホルモン量を少なく抑えていくので、毎月の月経量も少なくなります。
治療用ピル
避妊以外の低用量ピルの効果として、月経困難症(月経痛)、過多月経(月経量が多い)、月経前緊張症(PMS)などの症状緩和や月経不順の改善効果もあります。世界的にはニキビの治療薬として10代の人にも使用されているケースも出てきています。このように最近では避妊以外にピルを取り入れている女性が増えています。また長期期間服用することにより乳房の良性疾患、子宮体がんや卵巣がんの予防効果も認められています。
月経移動
旅行や結婚式、また大事な仕事の予定と月経日が重なる場合は月経を移動することができます。ホルモン剤の服用により月経を早めたり、遅らせたりすることができます。
月経を早める方法 | 月経がきてから1週間以内に受診していただき、月経開始後の1週間前後より約10日間服用します。服用終了後2-3日で月経が始まりますが、もともと月経不順のある人はやや不確実な時もあります。
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月経を遅らせる方法 | 予定月経の5~7日前よりホルモン剤を服用し始め、遅らせたい日程の最終日まで飲み続けます。3週間以上の調節は無理があり、効果も不確実な場合があります。早める方法より確実です。
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参照 つのだレディースクリニック